今年は10月1日~ 25日オンラインで、開催します。
一部アーカイブは2021年9月30日まで公開します。

生物が集まる豊かな海を再生させる
海のインフラ作りにも有効な鉄鋼スラグ
日本製鉄

日本製鉄は、ものづくりや社会インフラを支える鉄鋼メーカーとして、世界最高レベルの資源・エネルギー効率で鉄鋼製品を生産、環境への負荷を低減するとともに、環境保全に向けた活動にも積極的に取り組んでいます。また、副産物として発生する鉄鋼スラグを、藻場や浅場の造成に役立てる技術により、循環型社会の構築に貢献しつつ豊かな海を再生させる取り組みについても高い成果を上げています。

目次

製鉄の副産物である鉄鋼スラグは環境に優しい素材

鉄鉱石を副原料の石灰石とともに融解し銑鉄を製造する過程では、鉄以外の成分が副産物として発生します。また、高炉で作られた溶銑を精錬し鋼を製造する過程でも、副原料として使用する石灰によって副産物が発生します。それがいわゆる鉄鋼スラグです。
鉄鋼スラグは大きく二つに大別され、高炉で融解された鉄鉱石の鉄以外の成分が高炉スラグ、鋼を製造する際に発生するのが製鋼スラグです。日本製鉄では鉄鋼スラグのほぼ100%を有効活用しています。セメントに似た成分で微粉末にまで加工できる高炉スラグは、約7割が高炉セメント用に使用され、製鋼スラグは道路用路盤材、地盤改良材等の用途に利用されています。石灰石等を焼成して製造するセメントや自然の砂利や砂の代わりに使用できる鉄鋼スラグは、環境への負荷が少ない素材として注目を集めています。

大きな石にも微粉末にも加工可能 港湾工事に使われる鉄鋼スラグ

防波堤や護岸など波の影響を受けやすい港湾構造物に、大きな石材が使用されることがありますが、近年は環境保護の観点からも自然の石を入手することが難しくなっています。そこで、製鋼スラグと高炉スラグ微粉末、水などを練り混ぜて固め、大きさを自在に加工できる鉄鋼スラグの人工石材が、港湾工事で多く利用され始めているのです。

カルシア改質土で浅場を造成! 生き物の住みかを取り戻そう

海砂を採取するために海底を掘り起こした後にできる窪地は、ほかの場所よりも水深が深いことから水が停滞し、酸素が極度に少ない状態となります。さらに窪地から発生する酸素が少ない水が周辺に広がって生き物の大量死を引き起こすこともあり、生物の生態系への影響が心配されています。そこで、製鉄所の近傍にある窪地を埋め戻し、さらに土を盛って浅場を作り、生き物たちの住みかとなる藻場を再生させる事業が進められています。
窪地の埋め戻しのために使うのは、大きな船の航路や港の水深を確保するために海底から取り除いた浚渫(しゅんせつ)土という泥のような土砂ですが、非常に柔らかい性質のため盛って浅場を作るのは困難です。しかし、浚渫土に鉄鋼スラグを原料としたカルシア改質材を混ぜることで土の強度を向上させ、浅場の造成が可能となりさらに、浅場の上には鉄鋼スラグの人工石材(ビバリー®ロック)を載せて生物が集まる磯場を設けることもできるようになります。また、工事の際に生じる水の濁りも抑えられるという利点もあります。鉄鋼スラグの有効性が、浅場の造成等の海域環境修復事業でも発揮されているのです。

鉄分供給ユニットで海の森を! 藻場再生プロジェクト

地球温暖化による海水温の上昇やウニなど海藻を食べる生物の増加、鉄分などの栄養分の不足などが原因で、昆布やわかめなどの海藻類が育たない、いわゆる磯焼け現象が日本沿岸の多くの海域で見られ、問題となっています。
日本製鉄は、鉄分不足で磯焼け現象が生じていると思われる海域に、鉄分が多く含まれる転炉系製鋼スラグに人工腐植土を混合して袋詰めしたビバリー®ユニットを設置する試みを全国38カ所で行ってきました。北海道増毛町では埋設半年後から昆布が生育し、2年目3年目に効果が拡大。豊かな海を再生させることに成功しました。東京湾内でも、導入された例があります。
藻場は、魚介類の産卵の場や棲みかになるとともに、CO2の吸収・固定作用もあることから、ブルーカーボン生態系としての地球温暖化対策にも期待が寄せられています。
※ブルーカーボン:海の生態系によって吸収・固定されるCO2のこと。陸上の森林などに吸収・固定されるCO2であるグリーンカーボンに対して、ブルーカーボンと呼ばれています。

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