今年は10月1日~ 25日オンラインで、開催します。
一部アーカイブは2021年9月30日まで公開します。

余った貝殻で魚たちの住みかを作ろう!
海の生態系を守る漁師たちのプロジェクト
株式会社大本組・海洋建設株式会社(貝殻利用研究会)

東京都に本社をおく株式会社大本組、岡山県に本社をおく海洋建設株式会社は貝殻利用研究会の一員で、同研究会は全国漁業協同組合連合会を事務局とし、我々を含む計6社の企業会員のほか、有識者や県漁連、県漁協で構成されている組織です。カキやホタテなどの貝類養殖で発生する貝殻を重要な資源と位置づけ、有効な利用方法について研究や開発を行っています。この成果は、2018年「第20回国土技術開発賞」において、「創意開発技術賞」を受賞しました。

目次

年間約38万トンも発生するカキやホタテの貝殻を有効活用

日本人はカキやホタテなどの貝類を好む食文化を持っていますから、日本各地で貝類養殖が盛んに行われています。それらの養殖によって発生する貝殻は、年間約38万トンにも及び、その処理が問題となることもあります。貝殻は成分の9割が炭酸カルシウムでできている安全な素材であり、養殖によって安定供給できることを考えると、資源として有効に利用しない手はありません。
一方、海中を観察すると複雑な形状の貝殻の表面や重なりによってできる隙間に、小型のエビやカニ類をはじめ多種多様な小型動物が生息しています。貝殻利用研究会では、この効果に着目し、貝殻の有効活用により多様な生物の生息空間を創ることで、生物多様性や生産性の向上、水質浄化などの環境改善を図り、豊かな海づくりを実現できると考えています。

貝殻で創った生物生息空間が魚たちの隠れ家や餌場になる

調査・研究の様子

貝殻を利用する技術のひとつである貝殻魚礁は、直径15cm、長さ1mのケースの中に貝殻を詰め、それを鋼材等でパネル状にして立体的に組み上げた構造となっています。これを海底に設置すると、大小様々な空間ができるため、多くの魚が集まってきて餌を食べたり、大きな魚から隠れたり、構造物の中で卵を産む生き物も現れています。
この貝殻魚礁の製作の一部は、魚を獲る漁業者が自ら行っており、水産資源を増やすための取り組みとして全国で活用されています。

護岸にも生き物を! 貝殻で海の生態系を守る

貝殻漁礁に集まる魚

我々が行った実験では、宮崎県細島港のケーソンの壁面に貝殻を詰めたケースをパネル状につなげた装置(貝殻基質)を取り付け、海中の様子を観察しました。すると、貝殻をとりつけた壁面には、通常のケーソン壁面には生息しない生物が多く見られ、生物の種類や個体数を増やして多様性を高める効果が確認できたのです。
小型の貝殻魚礁は、完成した護岸などに後から設置できるため、都市部に多く存在する民間保有護岸などへも応用することが可能です。貝殻利用技術は、日本全国の海域で効果を発揮しており、環境改善にも貢献できると考えています。
実際に東京湾では、横浜みなとみらいの馬車道付近や千葉県市原市の釣り公園施設に設置されて、環境学習やレクリエーションに利用されています。

海を守る取り組みを未来の子供たちにもつなげたい

普及活動

我々は、全国で行われている環境イベントに参加して、貝殻を使った技術にはどのようなものがあるのか、どのような効果があるかを多くの人たちに知ってもらうために活動しています。昨年の東京湾大感謝祭では、貝殻にお絵かきをする体験会を実施しました。参加した子供たちは、貝殻に触ったり絵を描いたりする経験が珍しく、夢中になって絵を描いていました。
また、海中に入れていた貝殻を引き上げて中に隠れている生き物を探し、子供たちが実際に触れることができる生き物観察会も行っています。貝殻からは、色々な生き物が出てくるので、皆さん目を輝かせて観察しています。さらに、子供たちにケースへ貝殻を詰めてもらい貝殻基質を作る体験も行っています。この装置が海の生き物たちの住みかの一部になるのです。
これらの取り組みは、SDGsに向けた取り組みの中でも、特に目標14「海の豊かさを守ろう」、目標12「つくる責任つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」に貢献していると考えています。このような取り組みを、未来へつなげていくために子供たちへの普及活動にも力を入れています。

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