2021年版は2021年10月1日~2022年9月30日まで公開します。

東京湾再生のカギは下水道にあり
生活の中から海の環境を考えよう
東京ワンダー下水道

自分の流した下水がどのように処理され、どこへ流れていくのか知っていますか。
下水道は暮らしと水を支える重要なインフラであるにも関わらず、あまり意識されていないのが現状です。そこで、下水道の価値や役割を再確認してもらうため、「下水道広報プラットホーム」(GKP)では、官民が一体となった広報活動に取り組んでいます。
GKPと国や東京湾に関係する9都県市が一緒に取り組んでいるのが「東京ワンダー下水道」、東京湾の再生のために、下水道が行っていること、みんなができることを分かりやすくお伝えしています。さあ、東京湾を足元(アンダー)から守っている下水道の不思議(ワンダー)をもっと知ってください。

目次

私たちの暮らしは東京湾と繋がっている!

お風呂やキッチン、トイレ、洗濯など、私たちの生活に水は欠かせないものです。でも、口に入るのはごくわずか、使った水のほとんどは汚れて、汚水となります。
東京湾流域には現在約3000万人が住んでいます。ここに住む私たちが出した汚水は下水道で処理されて東京湾へと流れ込みますが、東京湾は首都圏で暮らす多くの人々の生活によって汚れた水を、受け止めるという宿命を負っているのです。私たちの暮らしと東京湾は直結しているのです。
かつて下水道が整備されていなかった時代には、汚水がそのまま垂れ流しにされ、多摩川は「死の川」、東京湾は「死の海」と呼ばれていたこともありました。江戸時代から続いていた隅田川の花火大会も水質悪化が原因で昭和36年から52年まで中止されるほどでした。今は、下水道が整備されて汚水がきれいに処理されるようになって、多摩川に天然のアユが遡上、隅田川の花火大会も復活、東京湾では江戸前の魚が獲れるまでになり、水辺の賑わいが戻ってきました。

東京湾をもっときれいに! 微生物の個性を活かして赤潮から守る

東京湾では、しばしば赤潮と呼ばれる現象が起こることをご存じですか?
私たちが汚水の中にリンや窒素などが多く含まれていて、これを好む特殊なプランクトンが異常に増殖するため、海の色が変わってしまう現象が赤潮です。赤潮が発生すると、大量に発生したプランクトンにより、海水中の酸素が足りなくなって、多くの魚が死んでしまいます。
そこで下水道では、汚水中のリンや窒素を取り除いてから海へ流す「高度処理」を進めています。一般的な下水処理も高度処理も微生物の力で水をきれいにしています。
一口に微生物と言っても、わたしたち人間と同じでそれぞれいろんな個性を持っています。
高度処理はこの微生物の個性を最大限に活かして行います。
ここでは、窒素の処理方法を例に、簡単にご説明しましょう。
空気が大好きな微生物(好気性微生物)と、空気がなくても大丈夫な微生物(嫌気性微生物)の2種類が、リレーをして窒素を処理します。下水に含まれている窒素はアンモニアの形をしており、まずは好気性微生物の力を利用してアンモニアを硝酸という形に変えます。次に嫌気性微生物が登場し、硝酸を窒素ガスに変えて空気中に放出してくれます。こうして、2種類の微生物の力によって、汚水から窒素を取り除くことができるというわけです。
窒素のほかに、リンも微生物の個性を活かして取り除いていますが、興味のある方は是非調べてみてくださいね。
現在、東京湾における下水の高度処理は、目標の60%程度まで進んでいます。導入には広い敷地や建設費・維持管理費がかかるという課題はありますが、最先端のICTを利用する方法や、できるところから段階的にやろうという積極的な取り組みが進んでいます。

下水道
下水道

東京湾再生のカギは下水道にあり

東京湾をもっときれいにしようという、国と公共団体の計画「東京湾再生行動計画」では、みなとみらい地区やお台場など、多くの人が集まる水辺7地点をアピールポイントとして取り上げ、具体的な改善対策を明らかにしています。そのすべての地点で、先ほどご説明した、下水道の高度処理が必要とされています。
また下水道は、汚水を処理して川や海の水質を守る役割のほかに、降った雨から街を守る防災上の役割も担っています。現在多くの地域で採用されている合流式下水道では、汚水と雨水を一本の下水道管で集めるため、大雨の時に処理されない汚水の混じった雨水を川や海にそのまま流してしまうという欠点があり、この問題の改善対策である合流式改善が急務となっています。
東京湾流域における下水道は、すでに100%近く普及しています。今後は、高度処理と合流式改善という、下水道の質的向上が東京湾再生の要となっているのです。

自分の流した下水の行方は? 下水道への意識を高めよう

美しい東京湾を取り戻すため、私たち1人1人ができる取り組みもあります。
だって、私たちの暮らしは下水道を通して東京湾と繋がっているのですから。
家の敷地に降った雨水を貯水して下水道に流さないように工夫したり、料理に使った油を下水に流さないことも大切。ほかにも、下水道を通じて川や海の環境改善につながる行動があるはずです。まずは、降った雨や自分が流した汚水の行方、つまり下水道について、普段から関心をもっていただきたいと思います。
下水道は都県市町村によって建設・管理されており、国が法律的・財政的支援をしています。これに設計・建設・維持管理と幅広い分野の企業が、世界に誇る最先端の技術で関わって、暮らしと水を守っています。
「東京ワンダー下水道」のホームページにアクセスして、あなたの街の下水道について調べてみませんか。

東京湾を守る下水道のこと、もっと知ってほしい!

東京湾再生推進会議メンバー(国土交通省、9都県市)下水道関連企業の詳しいことは、こちらをクリック

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