2022年10月1日~2023年9月30日まで公開します。

生き物たちの命が輝く東京の海を守ろう
水生生物調査や水質調査で東京湾の環境保全に務めています
東京都環境局

東京都環境局では、定期的に海域の生物調査、水質の調査などを行い、東京湾の環境の変化や水生生物の生息状況を記録してきました。
干潟や河口近くの浅い海域から沖合の内湾部まで、変化に富んだ環境を有する東京の海には、貝類や魚類、水鳥などたくさんの生き物たちが生息しています。そんな水生生物が暮らしやすい環境を守り、生物多様性の恵みを受け続けることのできる豊かな海を目指して調査を続けています。
実際にどのような調査を行っているのか、どんな生き物たちが見られるのか、水質調査の結果なども合わせてご紹介しましょう。

レインボーブリッジ付近(令和3年10月)
目次

干潟にも護岸にも生き物がいっぱい! 水生生物調査

令和4年2月の稚魚調査の様子
水生生物調査のぼり旗

東京湾は世界でも有数の大都市に隣接していながら、大きな河川の河口などに広がる干潟や浅場、岩礁や護岸などバラエティに富んだ環境が揃っており、多様な水生生物が生息しています。東京都環境局では、東京都内湾の環境変化を把握することを目的に、昭和61年から水生生物調査を実施してきました。

調査しているのは、沖合など内湾部4地点、葛西沖の三枚洲や多摩川河口など浅海部3地点、お台場海浜公園や葛西人工渚など干潟5地点、中央防波堤外側など護岸部2地点の合計14地点。沖合には成魚、干潟や浅場には稚魚や貝類とそれを餌に集まる鳥類など、それぞれの環境に適応した生物が生息していることが確認できるほか、定期的に調査を行うことで、季節による変化なども確認できます。調査は、鳥類や稚魚、成魚、底生生物、付着動物など種類ごとに実施しています。

鳥類調査の様子
令和4年6月の鳥類調査で確認されたホウロクシギ

令和4年5月と6月に実施した鳥類調査では、葛西人工渚の干潟で絶滅危惧種のクロツラヘラサギ、ホウロクシギなどが確認されたほか、5月の稚魚調査ではお台場海浜公園でアユが、6月の稚魚調査では城南大橋で細長いユニークな形態のヨウジウオ、葛西人工渚で高級食材としても知られるトラフグが確認されました。

令和4年5月の稚魚調査時、お台場海浜公園で確認されたアユ
令和4年6月に葛西人工渚で確認されたトラフグ

採取した生物の種類や個体数、分布の状況などを調査することにより、生態系の変化を知ることができます。さらに、水質調査や赤潮調査などのデータを照らし合わせることで、環境の変化が生き物たちにどのような影響を与えているかも明らかになるのです。

水生生物の命を育む水質は? 水質測定調査・赤潮調査

令和4年9月の赤潮調査の様子

東京都は都内の河川や海域の水質の状況を把握するため、定期的に水質調査を行っており、海域においては内湾や運河の50地点で水質測定を実施しています。
調査では、重金属や農薬など人の健康保護に関する環境基準が達成できているか、pHやCODなど生活環境の保全に関する環境基準が達成できているか、などを確認します。
COD(化学的酸素要求量)は、有機物を酸化剤によって分解するときに消費される酸素量のことで、この値が高いと有機物(汚濁物質)が多く含まれていることになり、水の汚れを知る指標となりますが、東京の海域での値は、近年ほぼ横ばい状態が続いています。窒素やりんについては、緩やかな減少傾向にあります。
また、定期的な水質調査のほかに、夏季には赤潮調査を行っています。

赤潮発生のしくみ
貧酸素水塊の広がり。赤で示された部分は溶存酸素量の低い海域

赤潮は水中に含まれる窒素やりんを栄養源とする植物プランクトン、それを餌とする動物プランクトンが、日照時間が長く、気温が高くなる夏季を中心に異常に繁殖することで発生。この赤潮や東京湾に流れ込む汚濁物質を原因の1つとして、東京都内湾の下層にはDO(溶存酸素量)の低い「貧酸素水塊」が広範囲にわたって形成されることが分かっています。酸素の少ない水中で生物は生きていくことができません。この影響により、赤潮が発生しやすい夏季に内湾で実施する成魚調査では生物の種類や個体数が激減することが確認されました。しかし、冬季の11月や2月の調査では多くの生物が戻ってきていることも確認されています。
水生生物調査と水質調査、赤潮調査を並行して行っていくことで、東京湾の環境の変化を正確に把握することが可能となっています。

みんなで東京湾の環境を守ろう! 東京湾環境一斉調査

毎年8月に行われる東京湾環境一斉調査

関東地方には、多摩川や荒川に代表されるような大きな河川、その支流が数多く流れていますが、川の水が最後に行きつくのは海です。東京湾に面した地域だけではなく、海へ流れ込む川の流域で生活するすべての人に、東京湾の水質や環境を守る責任があります。
そこで、国や自治体、大学や研究機関、市民団体や企業など東京湾に関連する多数の機関が参加して、基準日に合わせて一斉に東京湾環境一斉調査を実施しています。東京都も都内の参加団体の取りまとめや、調査の実施と結果報告を行っています。
令和3年の一斉調査では、148機関が参加し、海域と陸域を合わせて962地点で、水温や透明度、DOやCODなどの水質調査を実施しました。同時に生物調査や環境啓発活動などのイベントを実施する機関もあり、東京湾の環境について共に考え、行動する重要な機会となっています。
東京湾環境一斉調査は、毎年8月に行っています。ご興味を持たれた方は是非、ご参加ください。

令和4年度の募集案内(※今年度の募集は終了しています。)

生き物が集まる東京湾の自然を未来につなごう

多くの生物が生息する東京湾の環境保全のため、1人1人ができることは身近にたくさんあります。キッチンではお皿やお鍋の汚れをふき取ってから洗う、お風呂の残り湯を洗濯やお掃除に使うなど、毎日の生活の中で少し気を付けるだけで、東京湾の水環境はより改善されるはず。
プラスチックごみを減らすよう意識すること、海に親しんだり、海に生きる命について知ることもそのひとつです。
東京都環境局では、東京の環境を守り、未来へとつないでいくため、調査や啓発活動を続けていきます。

お問い合わせはこちら

東京都環境局

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