2022年10月1日~2023年9月30日まで公開します。

安心安全かつ安定供給できる貝殻を活用して
海の生き物たちの住処を作るプロジェクト
貝殻利用研究会

貝殻利用研究会は全国漁業協同組合連合会を事務局とし、6社の企業会員のほか、有識者や県漁連、県漁協で構成されている組織です。カキやホタテなどの貝類養殖で発生する貝殻を重要な資源と位置づけ、有効な利用方法について研究や普及活動を行っています。
企業会員は、建設・土木業の株式会社大本組と天野産業株式会社、環境・土木コンサルタントの株式会社KANSOテクノスと株式会社長大、物流機器メーカーの三甲株式会社、魚礁メーカーの海洋建設株式会社から成り、各企業が特性を活かし連携して研究・開発を行っています。

目次

みんな大好き!養殖されたカキやホタテの貝殻を有効活用

カキやホタテなど貝類の養殖は、日本各地の海で盛んに行われていますが、それらの養殖によって発生する大量の貝殻は年間約38万トンにも及び、その処理が問題となることもあります。貝殻は成分の9割が炭酸カルシウムでできている安全な素材であり、養殖によって安定供給できることを考えると、資源として有効に利用しない手はありません。
一方、海中を観察すると複雑な形状の貝殻の表面や重なりによってできる隙間に、小型のエビやカニ類をはじめ多種多様な小型動物が生息しています。貝殻利用研究会では、この効果に着目し、貝殻の有効活用により多様な生物の生息空間を創ることで、生物多様性や生産性の向上、水質浄化などの環境改善を図り、豊かな海づくりを実現できると考えています。

貝殻基質を漁港や海浜公園へ!海の生態系を豊かに

貝殻利用研究会では、様々なタイプの貝殻構造物を開発して全国の漁港などに設置し、その後の海洋生態系の変化について調査を行っています。
例えば、直径15cm、長さ1mの細長いケースに貝殻を詰め、それを鋼材等でパネル状にして立体的に組み上げた貝殻基質ユニットや、メッシュケースに貝殻を詰めてコンクリートの土台に固定し海底に設置する小型貝殻ブロックなど、設置する環境によって異なるタイプの貝殻構造物を用いて、各地の自治体や漁協と協力しながら海中に設置します。
2021年度は、岡山県笠岡市白石島漁港にて、会員企業と地元漁協が協力して2020年に設置した貝殻構造物の引き上げ調査を行いました。引き上げた小型貝殻ブロックから、マナマコやカサゴの幼魚が見られました。
また、大阪府沿岸では「豊かな大阪湾」環境改善モデル事業として、企業会員が連携し貝殻ブロックと貝殻基質ユニットを2019年に設置し、港湾施設生物の多様性や水産資源を増やす取り組みを行っています。2021年6月に大阪府沿岸で行った現地調査では、引き上げた貝殻基質から魚の餌となるゴカイ類が多く出現しています。
貝殻構造物には大小様々な空間ができるため、多くの魚が集まってきて餌を食べたり、大きな魚から隠れたり、構造物の中で卵を産む生き物も現れています。

豊かな海を守る活動を子どもたちへ伝える

我々が行っている活動について、未来を担う子どもたちに伝えていくことは、私たちの使命のひとつだと考えています。そのため、全国で行われている環境イベントに参加し、貝殻を利用した技術にはどのようなものがあるのか、どのような効果があるかを多くの人たちに知ってもらう、豊かな海づくりのための啓蒙活動を行っています。
東京湾大感謝祭では、貝殻にお絵かきをする体験会を実施しました。参加した子どもたちは、貝殻と触れ合いながら夢中で絵を描く様子が見られました。
また、海中に入れていた貝殻を引き上げて中に隠れている生き物を探し、子供たちが実際に触れることができる生き物観察会も行っています。貝殻から出てくる様々な生き物たちを、参加者は目を輝かせて観察しています。さらに、ケースへ貝殻を詰めて貝殻基質を作る作業を子どもたちにも体験してもらい、この貝殻基質が海の生き物たちの住みかの一部になることを実感してもらっています。

東京湾の環境改善やSDGsへの取り組み

出典 海洋建設㈱発行 シェルナースNEWS第43号,pp.2,2021.11
(一般社団法人横浜みなとみらい21・海洋プランニング株式会社)

貝殻技術を活用し、海の生態系を豊かにする私たちの取り組みは、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」に大きく貢献できます。また、養殖された貝類の貝殻を有効活用するため、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成にもつながると考えています。
貝殻利用技術は貝殻基質ユニットの「シェルナース」、小型貝殻ブロックの「貝藻くん」のほか、「シェルサンド」、「シェルマット」等の製品があり、様々な海域や環境に応じて活用されています。
例えば、「貝藻くん」は、完成した護岸などに後施工で設置が可能であり、都市部に多く存在する民間保有護岸などへの応用が可能となっています。東京湾では、横浜のみなとみらいや千葉県市原市の釣り公園施設に設置され、生物による水質浄化効果が検証されると共に、環境学習やレクリエーションに利用されています。

各種お問い合わせは

天野産業株式会社   

株式会社大本組     

海洋建設株式会社   

株式会社KANSOテクノス    

三甲株式会社

株式会社長大

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