住みよい街や快適な暮らしを守る東京ガスグループは、現在「森里海つなぐプロジェクト」と題して、森林と里山、海を舞台に環境・社会貢献活動を行っています。川の流れでつながるこの3つの舞台は、多種多様な生物の暮らしの場でもあり、地球温暖化対策に直結するCO2排出と吸収・固定の場でもあります。森と里、海のそれぞれで生き物が輝き、地球環境を脅かす温室効果ガスを低減できたら。私たちの豊かな暮らしを守り続けるため、東京ガスは環境保全活動に取り組んでいます。
今回は東京湾で行っているアマモ場の再生活動について紹介しましょう。

”海のゆりかご” アマモが地球の温暖化を食い止める!?

アマモは太陽光が届く浅い砂地に生息する海草の一種。光合成によって大気や海中のCO2を吸収し、枯れると海底へ埋まり炭素を固定できるため、近年は地球温暖化を抑制する対策の一つとしても注目されています。
島国である日本はかつて、あちこちの海岸や干潟にアマモ場が広がり、多くの海洋生物たちの産卵や生育場となっていました。環境の変化によって減少したアマモ場を再生させることは、地球温暖化を食い止めるためにも、海洋生物の多様性を守るためにも重要な意味を持っています。
東京湾をアマモが広がる生き物の楽園へ! 再生活動に参加


東京ガスグループは環境・社会貢献活動「森里海つなぐプロジェクト」の一環として、2017年より東京湾でアマモ場再生活動を行っています。国土交通省が主宰する「東京湾UMIプロジェクト」に参加し、横浜市金沢区の海岸でアマモの花枝採取や種まきなどの活動を続けてきました。2022年には千葉県木更津市の海岸で同様の活動を行い、活動場所は東京湾内で広がりを見せています。
アマモ場再生への取り組みは、アマモの生育サイクルに合わせた活動が必要となります。6月に種が付いた花枝を採取して数か月熟成させ、11月に海中に種を蒔きます。「金沢八景-東京湾アマモ場再生会議」や「NPO法人 海辺つくり研究会」の協力のもと、東京ガスグループの従業員や家族が参加し、このサイクルを繰り返すことで、アマモ場を広げていくのです。
この活動は環境保全に役立つのみならず、参加者が海と触れ合う体験を楽しみながら、海と暮らしのつながりについて考える教育の場ともなっています。
東京ガス横浜ショールームにてカーボンオフセットを実現


陸地の植物が吸収するCO2である”グリーンカーボン”に対し、アマモなどの海草や海の生物が吸収するCO2は”ブルーカーボン”と呼ばれ、海に囲まれた島国である日本では、この”ブルーカーボン”に新たなCO2吸収源として期待が寄せられています。
アマモ場再生活動などブルーカーボンを増やす活動に携わる東京ガスは、2021年に企業として初めて「ジャパンブルーエコノミー技術研究組合」が発行する「Jブルークレジット」を活用し、カーボンオフセットを実施しました。カーボンオフセットとは、企業が排出したCO2などの温室効果ガスを、他の場所での吸収や排出削減に貢献することによって埋め合わせる取り組みのこと。横浜の海岸におけるアマモ場のブルーカーボンCO2吸収量がクレジットとして認証され、東京ガスがこの「Jブルークレジット」を購入しました。さらに、横浜という地域のつながりから、東京ガス横浜ショールーム(当時。現東京ガスネットワーク 横浜ショールーム)の都市ガス消費に伴うCO2排出の一部をオフセットしました。
くらしに多様な効果を生む「森里海つなぐプロジェクト」

森林と里山、海を舞台に様々な活動へ取り組む、東京ガスグループの「森里海つなぐプロジェクト」は、地球温暖化対策や生物多様性の保全につながるだけではなく、活動を通じて地域の活性化や人々への環境教育、住みよいまちづくりにも貢献できると考えています。
森と里と海、地域と社会をつなぎ、私たちの活動は広い世界へとつながっていきます。大きな視野で地球環境のこれからを考えながら、持続可能なまちやくらしを次世代へつないでいくことを目指し活動を続けています。
