2022年10月1日~2023年9月30日まで公開します。

アクアドローン「ロボセン」で
未来の豊かな環境と生活を実現
日本海工

陸上・海上の地盤改良工事、防波堤や護岸建設などの港湾工事といった社会インフラの整備事業を数多く手掛ける日本海工は、不可能を可能にするチャレンジ精神と深い探求心で新しい技術の開発に取り組んできました。新事業の1つであるアクアドローン「ロボセン」は、水質環境調査や養殖漁業などでの運用を目指して実海域実験を重ねています。

目次

海面を自動航行するアクアドローン「ロボセン」

「ロボセン」は、4つの船体と中央の船台から構成された多胴船で、海面をまるでドローンのように航行できる小型の調査船です。GPSを搭載しており、事前にプログラミングすることで目的の地点まで自動航行できますし、調査のためにその場にとどまり位置保持することが可能。4つの船体に独立した推進機と回頭機構を持っているため、それぞれを回転させることで、直角の方向転換や小回りの利いた航行が実現しました。また、1つの船体の長さは1187㎜で、解体すればワンボックスカーに積み込めるサイズとなっており、複数の地点で調査を行う際の機動性にもこだわって設計されています。
風や波、潮の流れなどの条件下でも安定して自動航行し、定点に船体を保持して調査ができる画期的な海洋ロボット、それが「ロボセン」です。

海に関わる企業の視点で環境保全に役立つロボット開発を

製造業や建設業、インフラの整備、医療や介護などの分野では現在、ロボットや人工知能を利用することで、労働環境の改善、人手不足の解消などを図る試みが続けられています。各分野でロボット技術の研究が進められる中、港湾工事や海底の地盤改良工事などで多くの実績を重ねる日本海工は、海に強みを持つ企業だからこその視点でロボット開発に参入しました。
海洋工事の際には、海水への影響、濁りなどを観測する必要があり、頻繁に水質調査を行っていた経験から、この作業を自動で行うロボットができないか、という発想が生まれ、大阪府立大学との連携で「ロボセン」の開発へと繋がったのです。
この海洋ロボット開発の技術が、海洋環境の調査や社会インフラの整備などへ利用できるほか、近い将来に養殖漁業を支援する技術として応用されることも期待されています。
現在までに、石川県七尾湾の牡蠣養殖場、北海道火散布沼のウニ養殖場での実海域実験が行われ、広範囲にわたる自動航行や定点保持の精密性、高密度の自動水質環境計測などが実現しており、ダム湖や海上の作業現場、養殖場など様々な場所で活用できる技術へと高まっています。

「ロボセン」を活用できるフィールド、広がる可能性

「ロボセン」は、中央にある船台に自動昇降装置を備えており、計測装置を海中へ降下させ、指定した時間、目標の深度で保持することが可能です。船台へ搭載する装置によって、塩分濃度や水温、溶存酸素量など様々なデータ収集ができるほか、水中カメラを装着することで生態系の調査も可能となります。
また、養殖事業の分野では、生簀内をモニタリングしながら自動給餌できるシステムとして実用化の可能性もあり、餌の量やタイミングなどを適切に判断して給餌できるため、コスト削減へつなげることができます。障害物の多い養殖場でも小回りの利く「ロボセン」が指定したポイントへ素早く到達し、自動で作業を開始。人の手を使わずに広い生簀も効率よく管理できるようになるでしょう。
海を舞台にしたロボット開発は、自然環境を守り、私たちの生活を豊かにするため、実用化を目指して動き始めています。

各種お問い合わせは

日本海工株式会社
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